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電波戦隊 マッドレンジャー

第5話 ◆ 第6話

オープニングテーマ



 爆裂! マッドレンジャー!

 作詞 筆者

 作曲 キミの脳内電波


 キミにも聞こえるだろう。 電波のささやきが。
 キミも感じているんだろう。 あの憎い陰謀を。

 そうさ恐れないで、妄想なんかじゃないからさ。

 陰謀なんだもの、誰も分からないはずさ。
 キミは戦士。だから分かる。

 キーワードを唱えろ。 全ては捏造されている!
 
 ゴーゴー! マッドレンジャー! みんな騙されきっている。

 ゴーゴー! マッドレンジャー! 選ばれた戦士は分かる。 

 ゴーゴー! マッドレンジャー! 騙されるな、巧妙な罠。

 ゴーゴー! マッドレンジャー! キミの心だけが真実ー!
 

 確信持って、戦えー! マッドレンジャー!  



 ここでセリフ 「いえ。妊娠したのは、自分ではなくて、宇宙人のほうっす」






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 ◆ 電波戦隊 マッドレンジャー 第5話
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 キミは、知っているだろうか?
 
 真の戦士の物語を
 
 キミは、感じたことがあるだろうか?
 
 秘められた世界の真実を
 
 
  ここから私が記す話は、
 世界の何処かで、この地球の平和を守るため、今日も誰かと戦うヒーローの物語である。
 
 
 
 
 
  
 
  第5話  赤狩りだ! マッドレンジャー!
 
  
  ここは日本、都市部の一角・・・なんとも言えない空気を漂わせた男たち
 が日夜集う喫茶店である。その名も『メイド倶楽部』
 
  何処か音程の外れた意味不明のラブソング『ハッスルひいじぃちゃん ~ひ孫 萌え~』
 がかかる以外、このメイド喫茶はこれと言って特別目立つものではなかった。
 
  しかし、実を隠そう、この喫茶店という店構えこそ仮の姿!
 この店こそ、地球を守る正義のヒーロー 電波戦隊 マッドレンジャーの秘密基地なのである。
  
  今日もマッドレンジャーの面々は、この秘密基地に集まっていた。
 
  そして、この店の横には、なんとも言えない空気を漂わせた男たち
 が日夜集う喫茶店がある。その名も『JZR星人友の会 直営店 星のネコミミ』。
 
  最近、ここいらで評判になっているお店で、ウェイトレスたちはネコミミミニスカメイドに
 中にきっつきつの小豆色のブルマーを装着したという格好をしており、相当な売上高を誇って
 いる。
 
 
 
  
 
 マッドレッド   26歳 男 
 「最近、みんなこっちの店にこないなぁ」
 以下レッド
 
 マッドイエロー 25歳 男
 「そうっすね」
 以下イエロー
 
 マッドブルー  26歳 男
 「時代が人を動かすにゃりん」
 以下ブルー
 
  レッド 「そんなに JZR星人友の会 直営店 星のネコミミ は良いのだろうか」
 
 イエロー「昨日までこっちに来ていた、セイバーのコスプレしている40過ぎのおっちゃんも
       あっちに行ってしまったス」
 
  ブルー「まぁ、行ってもらったほうがいいにゃりん。あれは何ぼ何なんでもセイバーちゃんへ
      の冒涜にゃりん」
 
  レッド 「好きなキャラの格好は、誰がしてもいいんじゃないか?」
 
  ブルー「でも、脛毛は処理して欲しいにゃりん。あと、風呂にも入って欲しいにゃりん」
 
  レッド 「うむ。その位はやって欲しいな」
 
 イエロー「しかし、いいんすかー? レッドにブルー。このままじゃ、このお店がなくなるっス
      よ?」
 
  レッド 「うむむ・・・それは確かに・・・いくらマッドレンジャーの秘密基地とは言え、
       俺らが予算を出しているわけではないしな」
 
  ブルー「前にレッドが言っていた、国連傘下の『ネオエ○フ』・・・略して『ネオフ』に、
      国連からの予算を回してもらうのはどうにゃりん?」
 
  レッド 「多分難しいな」
 
 イエロー「ダメっスか?」
 
  レッド 「『ネオフ』はゲームの売り上げが、それほど良くないんだ」
 
  ブルー「残念にゃりん」
 
 イエロー「困ったっス」
 
  レッド 「ううむ・・・致し方ない・・・」
 
  そう言うと、レッドは一冊の雑誌を取り出した。
 これこそみんなの愛読書。ムームーである。
  
  レッド 「今回の特集に、願望成就器械の全て というものがあった・・・これを使えば」
 
 
 
  願望成就器
  
  ギャンブル系の雑誌と、ムームーのような愉快系科学雑誌に良く広告を載せる商品。
 どんな願いもかなえるぜっ! と銘打ってあるもの。
 どんな願いも叶えるというが、実際には金と女の事以外は眼中にないものが多い。
 
 
 
  ブルー 「どんな内容にゃりん?」
 
  レッド  「ええっと・・・」
 
 
 
  願望成就器械の説明
  
  つまり、電子レンジ等に入っているマグネトロンという機械は、人類の願望の力に
 物理的に干渉し、この世を願望成就力で満たしているのである。
 
  中略・・・例えば、電子レンジはボタン1つで食べ物を温めたり調理したり出来る。
 これは、電子レンジの中にあるマイコンとか、電子回路とかが働いているとみんなは
 思っているだろうが、それは違う、実はあれらはただの飾りである。
 そう想像すると分かりやすい。
 
  つまり、あれこそ、マグネトロンの願望成就力が、食べ物を温めたいと願う人の心の強さ
 を、熱という物理的なエネルギーに変換している何よりの証拠である。
  実際に実験してみたところ、私が何度『温めます』を押しても、機械はそのとおりに動いた。
 弁当は全て温められた。 ああ、マグネトロンに賞賛あれ!
 そして、全ての弁当を温めるという実験に非協力的だったあのコンビニの店長は地獄へと
 堕ちるぷりゅもやん。
 
  
  そこで今度、私が紹介するのが、この『願望成就キット フェイト/聖剣究極伝説』である。
 この素晴らしい機械は、既にアメリカでは大ヒットを飛ばしている。
 この情報は、日本ではまだ出ていない。邪悪な闇の精霊『ウンコプリプリぷりゅもやん』が、
 マスコミ関係者を全て洗脳している為である。
  この精霊にやられると、1日に50回以上「ウンコプリプリぷりゅもやん!!」と叫ぶので
 そうしているやつを見たら、無視するか、精神病院を紹介してやるといいだろう。
 
  追伸・・・精神病院は、『○○大学付属病院精神科』がお勧めだ。私も現在、療養中だ。
  
  
  『願望成就キット フェイト/聖剣究極伝説』  通販価格 50万円
  
  拡張キット 約束されし勝利の電磁波消去紙 一枚 10万円
 
  送料は、東京圏で1つ 1万円。2個以降1つ増えるごとに 1000円
 
  
  
  レッド 「うむ・・・これを使えばあるいは・・・」
 
 イエロー「これを使えばって・・・本気ッすか? レッド」
 
  レッド 「う、うん?」
 
 イエロー「・・・こんなの、嘘っぱちスよ」 
 
  ブルー「使ってもダメにゃりん。レッド、騙されているにゃりん」
 
  レッド 「どうしたんだ! 2人とも!」
 
 イエロー「そもそも、電子レンジのマグネトロンが願いを叶えるなんて、どう考えても
       おかしいっすよ」
 
  ブルー「そうにゃりん。そんなこと言うなら、なんでもありにゃりん」
 
  レッド 「むむ・・・」
 
 イエロー「ここはもっと、科学的な論考と方法で攻めるべきっス」
 
  レッド 「ほう・・・そこまでの啖呵を切ったんだ、聞かせてもらおうじゃないか
       面白い」
 
 イエロー「本当に願望を叶えるなら・・・
      この『紅茶スクワレナイゴールド 新宿鮫 2000EX』を服用して、
      超能力者になるほうが、現実的で科学的っす」
 
  ブルー「実は、ブルーもそれ呑んでるにゃりん。もう、1ヶ月飲み続けているにゃりん」
 
 イエロー「こんな身近に同志がいたっす。・・・それで効果の方はどうっすか?」
 
  ブルー「まあ、待つにゃりん。今から、超能力の嵐が吹き荒れるにゃりん」
 
  そう言うや否や、ブルーは精神統一の儀式を始めた。
 はたから見ると、『ああ、とうとう気が狂ったか』というオーラがバリバリに出ているが、
 これは間違いなく(ブルーにとっての)精神集中の儀式なのだ。
 
  ブルー「キター! キター! キター! にゃりん! にゃりん! にゃりん!」
 
  レッド 「・・・営業妨害っぽくないか?」
  
 イエロー「気のせいっスよ。・・・それより、どうっすか? ブルー」
 
  ブルー「くっ・・・おかしいにゃりん。今日はパワーが溜らないにゃりん」
 
 イエロー「どういうことっすか?!」
 
  ブルー「昨日はちょっと念じるだけで、赤い車の後に、青い車が2台も通ったにゃりん。
       信じて欲しいにゃりん」
 
 イエロー「これは・・・」
 
  レッド 「ふっふっふっ・・・甘いなイエロー、ブルー。実はな、俺はさっきから、
       ブルーの超能力が消えるように、このマグネトロン フェイト/聖剣究極伝説 に、
       願を籠めていたのだ!」
 
 イエロー「なっ! レッドの力は、それほどっすか?」
 
  ブルー「ならば、最大出力にゃりん! 
       キター! キター! キター! にゃりん! にゃりん! にゃりん!」 
  
  そして、どういうわけか、レッドは苦しみだした。
 
  レッド 「くっ・・・ぐああああ!」
 
 イエロー「レッド、観念するっす! レッドは赤だから、共産圏に洗脳されていると想像でき
      るっス!・・・今こそ、レッドパージ(赤狩り)の嵐、吹き荒れる時っス!」
 
  ブルー「レッドの洗脳を解くにゃりん! キター! にゃりん!」
 
  レッド 「くっ、凄まじいスクワレナイゴールドのDNAパワー! それなら、俺も
       最大出力だ!」
 
  
  一方その頃・・・
 
 
  『メイド倶楽部』の横の『JZR星人友の会 直営店 星のネコミミ』。
 のスタッフルームでは、今日も作戦会議が行われていた。
 
  部屋の奥には『大佐』と呼ばれる店長が鎮座し、その膝の上では目ヤニのひどい
 野良猫があくびをかいている。
 
  注・・・この店はチェーン店で、お店の正社員は全員軍隊式の階級で呼ばれている。
      別に軍隊だからとか、そういうわけではなく、ただの遊びである。
      なお、社長は『メイド大将』であり、会長は『メイド元帥』である。
      余談だが、アルバイトの面接に受かると、赤い紙が届く。
 
  そして店長の面前には、一騎当千のネコミミメイドたちがいて、いまや遅しと、号令を
 待っている。
 
 「みなさん、おはようございます」
 
  店長は厳かな雰囲気で、朝礼を始める。
 
 「先月の当店の売り上げは随分と伸びました。これもまた、みなさんの努力の賜物です」
 
  にゃあー。と、ネコが相づちを打つ。
 
 「しかし、この数字に満足することなく、飽くなき明日への挑戦が無ければ、
 この激戦区では生き残っていけません」
 
  「はいっ!」と、精鋭の少女達は答える。
 
 「今日も元気に笑顔で楽しく! フルパワーでお客様をお迎えいたしましょう!」
 
  ここで店長の話は終わり、次に『少佐』と呼ばれるフロアチーフの訓示が入る。
 
 「私に続いてリピートして下さい・・・『お帰りなさいませ、御主人様』」
 
  『お帰りなさいませ、御主人様』
 
  ・・・この風景の中、ひときわ目立つ、1人の少女がいる。
 彼女の名前は 雛菊 燐香 (ひなぎく りんか)。
 年齢19歳 身長160cm 体重46kg 髪は黒の背中の中ほどまであるストレート。
 バスト95のHカップ、ウェスト62cm、ヒップ98cm。顔立ちは極めて良好という、
 冗談みたいな女である。
 
  彼女はここで働いている・・・いや、彼女的に言うと、『任務』に就いている。
 
 彼女は思う
 『ああ・・・大佐。燐香は、ジャラゼルジバラリレハン星人の為に、命を捧げる
 覚悟です』
 
  周囲にはネコミミメイドの格好をした女の子たちがいる。
 
  彼女は思う。
 『みんな、頑張ろうね! 社会のウスラアンポンタンには理解できない崇高な使命だけど、
 このジャラゼルジバラリレハン星人の地球侵略プロジェクトは、地球人類の為なんだもの』
 
  彼女は思う。
 人心の荒廃、地球環境の悪化、度重なる災害、愚かなる戦争・・・
 それらは全て、現在地球を支配している『オバロンゲロン星人』の陰謀なのだと、
 その邪悪なるオバロンゲロン星人の野望を打ち砕くべく、愛・銀河星団から送り込まれた
 正義の味方こそ、ジャラゼルジバラリレハン星人だと。
 
 
 「ところで、雛菊くん」
 
  店長が燐香を呼ぶ。
 
 「なんですか? 大佐」
 
 「うむ。ちょっと隣のメイド倶楽部に行って、テナント広報を置いてきてくれないか」
 
  注・・・テナント広報 
      このビルで月に一回配られているパンフレット。
      ビルの経営者とテナントの人たちでお金を出し合って作っている。
                 
 「はい。わかりました」
 
  彼女は思う。
 『ああ! 分かりました大佐! 偵察員として、スパイとして、敵地に潜り込みます!
 死して屍、拾うものなし!』
 
  こうして燐香は、ネコミミメイドの格好のまま、隣のメイド喫茶に向かった。
 
 
 
 
 
  場面もどり、メイド倶楽部。
 
 
  メイド倶楽部では異常な決戦が行われていた。
 
 ブルー 「キター! キター! キタキタキター!! にゃりりん! にゃりりん!」
 
  レッド 「ぬおおおお!」
 
 イエロー「ふふふ・・・なんと恐ろしい戦い。この戦いの勝利者のみが、己が理論の正しさを
      証明できるっス」
 
  ↑注・・・勝ったところで全然正しさの証明にならない。 
  
 
  そして、この時、運命のドアが開いた!
 
  燐香 「ガラガラガラ~。メイド倶楽部さん、テナント広報を持ってきました」
 
  桜さん「あらあら、ありがとうございます。待ってて下さい、今取りに行きます」
 
  店の奥から、ウェイトレスの桜さんがやってきた。  
 さくらさんは現役女子高生。17歳にしてバスト88センチ、ウェスト61センチで、
 カップサイズはEカップ。そのうえ可愛らしく、気立ても良く、この店の看板娘でもある。
 
  そして、となりの店の燐香は桜さんのことを友達・・・いや、同志として考えている。
 燐香によれば、桜さんは12月12日生まれなので、12が好きなジャラゼルジバラリレハン星人
 の『選ばれし者』に当てはまるそうである。
 
  燐香 「・・・あら? 何かしら、盛り上がっていますね」
 
  店の奥からは『キター!』とか『にゃりん!』とか『レッドパージ!』とか
 『シャバレロン投入角が甘い!』とか『スムコッフ!』とか
 『毒電波に気をつけるっス!』とか『ぷりゅもやん!』などの叫び声が聞こえてくる。
 
  桜さん「すみません、いまちょっと、常連のお客さんが騒ぎ出しちゃって・・・」
 
  燐香 「大変ですね」
 
  桜さん「はい、本当に」
 
  燐香がふと、声の方を見る。
 そこには彼女が捜し求めていた悪しき者たちがいた!
 
  燐香 「マッドレンジャー・・・あの人たち、こんな所に」
 
  桜さん「あら? ご存知なんですか? 燐香さん。あの3人・・・昔は5人だったんですけど」
 
  燐香 「桜さん・・・申し訳ないけど、少し店から出て行ってもらえないかしら」
 
  桜さん「職場放棄しろですって? ・・・うう、そこまでメイド倶楽部の経営の邪魔を
      しなくても・・・」
 
  燐香  「いえ・・・そうではないわ。そう、あの3人組み、『マッドレンジャー』は
      あまりにも危険なの!」
 
  桜さん「まぁ、危険ですね」
 
  燐香 「分かって下さる?! あの3人は・・・人類に多大な被害をもたらすおそれのある、
      危険思想の持ち主なのよ!」
 
  桜さん「はい、それはもう充分に分かります」
 
  燐香 「そう、そういうこと、・・・おかしいと思ったわ、今日に限って赤い車の後に
      青い車が2台も通ったし、ゴルバメン星のシャバレロン投入角が危険な位置を
      示していたし、コンビニの帰りに塾帰りの小学生の男の子を付回していたら、
      お巡りさんに職務質問されるし、本屋の店員のバッジの色は変わってるし、
      ・・・そうよ、よくよく考えてみれば分かることだわ、大佐は・・・分かって
      いたのね。今日が決戦の日だったと言う事が・・・」
 
  桜さん「・・・この辺には、こんなやつしかおらんのかいな」
 
  燐香 「私が、あの3人を何とかします。・・・桜さんは、他のヒトを連れて、逃げていて」
 
  桜さん、棒読みで「いえ、燐香さんは私や周囲の人にかまわず、全力を尽くしてください」
 
  燐香 「うっ・・・(涙)そうよね、そうだわ、ここで奇妙な動きを見せてしまったら、3人に
      逃げられるかも・・・地球の為、皆の犠牲は無駄にはしない! とぅっ!」
 
 
  燐香は気合を入れると、3人の前に飛び出した。
 
  レッド 「なにやつ?」
 
 イエロー「何者っスか?!」
 
  ブルー「にゃりりりん??」
 
  燐香 「マッドレンジャー・・・今日こそ、決着を付けてあげるわ! 愛・銀河団の戦士、
      ジャラゼルジバラリレハン星人のアモーレエナジーをこの身に受けた、
      雛菊 燐香、いま、華麗に戦います!」
 
  レッド 「ジャラゼルジバラリレハン星人の手の者か?!」
 
 イエロー「くっ、ここは赤狩りは一時休戦っす」
 
  ブルー「ふっふっふっ、飛んで火に入る夏の虫にゃりん」
 
  レッド 「哀れな・・・ジャラゼルジバラリレハン星人に躍らされている哀しき戦士よ。
       今、俺らがその洗脳を解き放ってやろう」
 
  ブルー「にゃりん」
 
  燐香 「・・・ふっ、本当に哀れね、あなた達・・・あなた達こそ、邪悪な宇宙人
       オバロンゲロン星人に洗脳されていることが分からないの?」
 
 イエロー「え? そうなんっすか?」
 
  レッド 「イエロー、この女の言っていることは詭弁だ、耳を貸すな」
 
  燐香 「ふっ、詭弁ではないわ・・・その証拠を見せてあげる」
 
  そういうと、燐香は紙で出来た安っぽい時計の文字盤のようなものを取り出した。
 
  燐香 「今日の朝のゴルバメン星のシャバレロン投入角を写したものよ・・・これを見ても、
      分からないかしら?」
 
  桜さん「(なにがわかるっちゅーねん)」
 
  レッド 「なに!!」
 
  ブルー「どうしたにゃりん? レッド?!」
 
  レッド 「くっ・・・ばかな・・・シャバレロン投入角が25度を示している・・・これは
       ・・・オバロンゲロンがモハメドマジックゴールドで、洗脳している人間が側に
       いる何よりの証拠・・・」
 
  燐香 「さらにこれよ!」
 
  燐香はさらに、今朝の朝刊を取り出す。(喫茶店の入り口とかにある、バインダーに
  挟めてあるアレ)
 
  燐香 「今朝の第一面の記事には・・・よくよく見れば、オバロンゲロン星人の暗号が
      隠されているわ・・・」
 
 イエロー「そんな、信じられ無いッス」
 
  燐香 「この天気予報、外れているわ、今日の午前中は雨降りだったのに関わらず、
      今日は晴れだった!これには重大な意味が隠されているの!
      そう、この太陽のマークに見えるものは、人類を奴隷として、社会の歯車にしよう
      という彼らの意思表示が表されているのよ!」
 
  ブルー「そ、そんなにゃりん」
 
  レッド 「ブルー・・・詭弁だ、いや、全ては彼女の妄想だ」
 
  燐香 「何ですって?」
 
  レッド 「聞いて呆れる、くっくっくっ・・・よく見てみろ! その太陽のマークは
       よくよく見ると、歯車ではない。それは古代文明アトランティスの紋章!」
 
  燐香 「えっ!? うそっ!」
 
  レッド 「ウソではない! よくよく見れば、ミクロン単位のマイクロ文字で『アトランティス』
       と書かれているのが読めるはずだ!」
 
 イエロー「新聞の天気欄だけで、ここままでの読み合い・・・レッドはやっぱりすごいっす」  
 
  燐香  「くっ、今日はここまでにしたほうが良さそうね・・・けど、待っていなさい
      マッドレンジャー!いつか必ず、あなた達は倒されるわ!」
 
  ブルー「ふっ、楽しみにしておくにゃりん」
 
  燐香は店を飛び出していった。
 
  桜さん「今日もなんだか盛り上がっていましたね、それで? 今日は何をご注文で?」
 
  レッド 「うん、そうさな」
 
 イエロー「レッド、ここはお詫びのしるしにイエローがおごるっス。
      全員、スペシャルナッツサンデー」
 
  桜さん「はい、分かりました、少々お待ちください」
 
    
  3人はさっきまで戦っていたことを忘れて、仲直りした。
 
  そんで、同人誌とか見て回って帰った。
 

  第5話終わり
 
 
 
  以下、解説。
 
 
  ☆国連傘下の『ネオフ』
 
 
  国連の下にはこういう機関が存在していて、日夜 量産型エウ゛ァンジェリン・アダムズちゃん
 を作っているとはレッドの台詞である。
 
  資金源としてエロゲーメーカーを多数傘下に治めているが、売り上げが伸び悩んでいるそうな。
 
 
 
 ☆ 『紅茶スクワレナイゴールド 新宿鮫 2000EX』

 
 
  新宿の地下には『魔界都市』と呼ばれるポリゴンワールドがあり、そこでは日夜
 地獄のような超能力合戦が繰り広げられているらしい。
 この世界で負けてしまうと、2年ほど監禁されるとはイエローの説明である。
 
  この薬品 『紅茶スクワレナイゴールド 新宿鮫 2000EX』(メロン味)は、
 この魔界都市が特産品として生産しているものをアメリカ軍の特殊機関が
 秘密裏にライセンス生産し、日本人を超能力者にすべく持ってきているらしい。
  (目的は不明、だがムームーによれば『想像するのは簡単だからあえて書かない』と書いてある)
 
  一本 120円、180ml入り、 清涼飲料水
 
  1ダース 980円から販売。
 
 
 
  ☆レッドパージ
 
  邦訳 赤狩り
 
  共産主義勢力の台頭を恐れた資本主義陣営は、共産主義者に対する大弾圧を行った。
 それがいわゆる レッドパージである。
  しかし、実際には『あいつは赤だ』と言われるだけで、証拠も何もなく逮捕、監禁できる為、
 無実の人や、時に権力者になびかない人々、さらに政敵も偽りの情報を元に逮捕された。
 
  ・・・というのが実際の赤狩りだが、マッドレンジャーは『赤い色』をしたものを狩りたてる
 こと全てをレッドパージと呼んでいる。思想信条ではなく、色である。
 
 
 
 
  ☆DNAパワー
 
  紅茶スクワレナイゴールド の広告によると、生物にとってDNAはとても大切な存在だが、
 ほとんどの生物はDNAを持っていないため、この紅茶スクワレナイゴールドを摂取する
 必要があると書いてある。
 
 
 
 
  ☆ネコミミメイド
 
  種族 メイド  と、 種族 ネコミミ を邪教の館で二身合体した際にできそうなやつ。
 
  オタクが大好きなネコミミとメイドの双方の特性を併せ持つが、設定として濃すぎる為、
 メイン属性にはなりにくいとされる・・・とは、レッドの言葉である。が、好きな人には
 たまらない逸品。
 
 
 
  
  ☆オバロンゲロン星人
 
  ジャラゼルジバラリレハン星人の敵にして、全宇宙をまたにかける悪党。
 危険なほど侵略的な存在で、恐竜を滅ぼしたのもこいつらだ。
 とは、燐香の台詞である。
 
 
 
  ☆愛・銀河星団
 
  ジャラゼルジバラリレハン星人のふるさと。
 全宇宙の平和を守るため、彼らはここから出撃していくという。
  中心の星はハートマークをしており、この星に連なる10個の衛星には、
 5500京個もの、牢屋が存在していると言われる。
 
  ・・・・とは、燐香の台詞である。
 
 
 
  ☆アモーレエナジー
 
  ジャラゼルジバラリレハン星人は、清浄な空気の中でしか活動できない。
 その為、地球では彼らはなかなか活動できず、その為、燐香のような
 地球人に力を与えて、自分たちの手助けをさせているらしい。
 
  ・・・くどいようだが、燐香の台詞である。
 
 
 
 
  ☆古代文明アトランティスの紋章
 
  レッドが前世で戦っていた相手。
 とっくの昔に滅ぼしたはずだが、たまにちょくちょく出没している。
 ・・・らしい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
   挿入歌



 真昼のボンバー


 作詞 筆者

 作曲 キミの脳内電波


ババババン ババババン ババババババババ!

ババババン ババババン ババババババババ!

ババババン ババババン ババババババババ!

うなれ オレの能力 

いま、燃え上がるとき


なんとなく、気に入らないことがあったから消したいと思っただけなんだけど

たったいま都合よく目覚めろ

オレの能力


ツイスト ツイスト まきおこれ 

オレのエンジン、火を吹くぜー



 ここでセリフ「また妨害電波のせいで、能力が発動しなかったぜ」


ババババン ババババン ババババババババ!

ババババン ババババン ババババババババ!

ババババン ババババン ババババババババ!
 
 




 
 
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 ◆ 電波戦隊 マッドレンジャー 第6話
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 キミは、知っているだろうか?
 
 真の戦士の物語を
 
 キミは、感じたことがあるだろうか?
 
 秘められた世界の真実を
 
 
  ここから私が記す話は、
 世界の何処かで、この地球の平和を守るため、今日も誰かと戦うヒーローの物語である。
 
 
 
 
 
  
 
 
  第6話  虚構だ! マッドレンジャー!
 
  
  ここは日本、都市部の一角・・・なんとも言えない空気を漂わせた男たち
 が日夜集う喫茶店である。その名も『メイド倶楽部』
 
  何処か音程の外れた意味不明のラブソング『ロリロリ愉快』
 がかかる以外、このメイド喫茶はこれと言って特別目立つものではなかった。
 
  しかし、実を隠そう、この喫茶店という店構えこそ仮の姿!
 この店こそ、地球を守る正義のヒーロー 電波戦隊 マッドレンジャーの秘密基地なのである。
  
  今日もマッドレンジャーの面々は、この秘密基地に集まっていた。
 
  
 
  
 
 マッドレッド   26歳 男 
 「や、久しぶり、イエロー、ブルー」
 以下レッド
 
 マッドイエロー 25歳 男
 「そうっすね」
 以下イエロー
 
 マッドブルー  26歳 男
 「そんなに久しぶりにゃりん?」
 以下ブルー
 
 
 イエロー「ところで、急で悪いんっすけど、レッドに見てもらいたい記事があるッス」
 
  レッド 「・・・なに?」
 
  しかし、レッドの食いつきは悪い、それに、なにか少しやつれた感じがする。
 
  ブルー「? 元気ないっすねレッド・・・
      まぁいいにゃりん、見たらきっと、レッドも元気になるにゃりん」
 
  イエローは巨大なナップザックから、一冊の雑誌を取り出した。
 これこそ、みんなの愛読書、『ムームー』である。
 
 イエロー「この、一面の記事ッス」
 
  イエローの脂ぎった指が安っぽい紙のページを捲っていく。
 そしてしばらくすると、奇妙な写真と共に、大きな見出しがついている記事が
 現れた。
 
  レッド 「なになに・・・『恐怖の宇宙生物 スペースバンパイア 出現』?」
 
  ブルー「そうにゃりん。スッゴク興味深い記事にゃりん」
 
 
   恐怖! 宇宙吸血鬼が出現?!
 
  ある日、平和な編集部に、一本の奇怪な電話が飛び込んできた。
 その電話の主であり、今回のこの極秘情報の提供者 M氏 が語るのは、
 世にも恐ろしい奇怪な事件であった。
 
  ・・・以下 略・・・
 
  ブルー「つまり、スペースバンパイアは、いままさに、ジャラゼルジバラリレハン星人の
       手先となって、地球侵略の一翼を担っているんだにゃりん」
 
 イエロー「このことについて、是非、レッドの意見を聞きたいッス」
 
  レッド、しばらく考え込んで
 
  レッド 「いや、あのさ・・・」
 
  ブルー「どうしたにゃりん?」
 
  レッド 「この前、考えたんだけど、やっぱりさ、宇宙人による地球侵略なんて、ありえ
       ないんじゃないかな」
 
  ブルー「な、な、レッド、レッドは今、なんて言ったにゃりんか?」
 
 イエロー「どうしたっすか? モハメドマジックゴールドにやられたっすか?!」
 
  その時、桜さんがやってきた。
 
  桜さん「いらっしゃいませー、ご注文をどうぞー」
 
  ブルー「にゃ、にゃりん、にゃりん、にゃりりん」
 
 イエロー「ポテトチップスを咥えた老人が、関取満載のエロ本で鍋をリムジンにしているのが、
       分かるッスよね?!」
 
  桜さん「はい、とりあえず、ポテトチップスを持ってきますね」
 
  そういうと、桜さんは、店の奥に下がって行った。
 
  レッド 「・・・いや、やっぱりさ、どう考えてもありえないよ、宇宙人の侵略なんて、
       おかしいよ」
 
  ブルー「にゃりん! にゃりん! にゃりりん! にゃりりりーーーん!!」
 
 イエロー「ブルー、落ちつくッス」
 
  ブルー「これが落ち着いていられるにゃりんか?! レッドが、レッドが、おかしく
      なっちゃったにゃりん!」
 
  レッド 「いやさ、そもそも、宇宙空間に住んでいるわけでもないのに『宇宙人』と
       言ってみたり、さらに、そいつらが植民できる星を探しているんだとしても、
       無抵抗で占領できる星なんて、いくらでもあるだろ?」
 
  ブルー「ぶるぶるぶる・・・レッドが、レッドが、意味不明な言葉を羅列し始めたにゃりん」
 
 イエロー「恐ろしいことッス・・・直視できないッス」
 
  レッド 「さらに・・・」
 
 イエロー「レッド! 歯を食いしばるッス」
 
  ぶぁき! なんとイエローは、レッドの頬を思い切りぶん殴った!
 
  ブルー「な、なにを?!」
 
  レッド 「ぶ、ぶったなぁ! お、オヤジにだってぶたれたこと無いのに!」
 
 イエロー「レッド・・・レッド、忘れたんッすか?! あの、ピーチランドの誓いを!」
 
  その言葉に、3人の顔がハッとなった。 
 その横で、『ついに暴力沙汰?どうしよ、警察呼ぼうかな』と、思案顔の桜さんが
 ポテトチップスを置いていった。
 
  レッド 「ピーチ・・・ピーチランド」
 
  それは、いまから8年前のこと・・・
 
  ブルーとイエローは、世の中の無知蒙昧なる輩の跳梁跋扈に憂いつつも、いつの日か、
 宇宙人の、ジャラゼルジバラリレハン星人の地球侵略作戦の全てを告発し、全人類を啓蒙
 しようと考えていた。  
 
  そんなある日、ブルーとイエローは、徳のある若者の噂を聞きつける。
 それこそ、レッドであった。
 
  レッドは当事、功徳を積み、衆生の安寧と幸福を追求すべく、
 『隠し撮りと、ロリ着替え写真による幸福なる世界統治教』 KLK教団を運営していた。
 (構成員、レッドだけ)
 
  ブルーとイエローは、そんな彼と出会った。
 
  出会った瞬間、『自分と同じオーラを発しているのが分かった』(後に3人が語る)
 3人は、すぐさま意気投合し、レッドが写真撮影の場所として使用していたあるアパートの
 屋上で、後世、永遠に語り継がれると彼らだけが信じて止まない『ピーチランドの誓い』を
 行ったのである。
 
  「我ら3人、生まれた星は違えども、戦う惑星管理機構は同じにと欲す!」
 
  あれから、8年・・・。
 
 イエロー「思い出すッス! あの暑い日のことを! あの、マッドレンジャーとして、
      戦った日々のことを!」
 
  ブルー「レッド、忘れたにゃりんか? あの日、同じロリを見て、可愛いと言ったときの事を」
 
  レッド 「ああ、いや、ちょっとまって、だからさ、そもそも、全てオレ達の幻想、
       妄想だったんじゃな・・・」
 
  ブルー「まだ言うにゃりんか! これは相当深刻にゃりん」
 
 イエロー「これはもしや・・・」
 
  ブルー「どうしたにゃりん?」
 
 イエロー「聞いた事があるッス、『脳内ゲーム脳汚染症候群』という病を」
 
  ブルー「いったいそれはなんにゃりん?」
 
 イエロー「テレビゲームをやりすぎると、脳内がスカラー波という電波で汚染されて、現実を
      直視できなくなるッス」     
 
  ブルー「つまり、テレビゲームをプレイしすぎると、宇宙人の地球侵略を信じられなくなる
      にゃりんね?!」
 
 イエロー「レッドはおそらく、品格を司る大脳の一部分『前頭検査』が破壊されているッス。
      テレビゲームをやりすぎると人格が崩壊して、野獣のような凶暴性を帯びるよう
      になり、ついには末期症状になって、宇宙人の侵略を信じられなくなるッス」
 
  ブルー「ああ、なんてことにゃりん。いったいどうしたらいいにゃりん?」
 
 イエロー「レッドを正気に戻す為には、アレしか無いッス」
 
  ブルー「いったい、なんにゃりん?」
 
 イエロー「まぁ、見ているッス」
 
  そういうと、イエローはレッドの側に行き、耳元で何かを囁いた。
 
  そして5秒後
 
  レッド 「いや、すまない2人とも、俺の勘違いだった。そうだ、危ないところだった。
      もう少しでジャラゼルジバリレハン星人に洗脳されるところだった」
 
  ブルー「ああ、正気に戻ったにゃりんね!」
 
 イエロー「ふぅ、危ないところだったッス」
 
  ブルー「ところで、レッド、いったい、イエローに何を言われたにゃりんか?」
 
  レッド 「いや、なんと言うことは無い、ただ単に、数年前の悲劇を思い出しただけさ」
 
 イエロー「そうっすね」
 
  レッド 「○ゆ、○゜○、○橋、お前たちの仇は討つぞ・・・見てて下さい、清○○○・・・」
 
  
 
  とりあえず、これ以上は危険すぎる台詞が飛び交うので第6話終わり
 
  エンディングテーマ



 さみしい都会のトゥギャジャー

 作詞 筆者

 作曲 キミの脳内電波


 
世界で1人、オレだけが

真実求めて戦う ファイター

きっと きっと きっと

みんないつか分かる

宇宙人の侵略を、止めてるヒーローはオレだって


 どうしてないの (ハーレムがー)

 どうしてないの (オレのロボー)

 どうしてないの (特殊能力)


それは、きっと、誰かが邪魔しているからなのさー 
真実求めて戦うヤツはー

いつもハブられるのさー


 ここでセリフ「みんながオレを見て興奮している」
 
 


 以下、解説。
 
  
  ☆恐怖の宇宙生物 スペースバンパイア
 
  太陽系 第25番惑星 クロノス に住んでいるという吸血鬼。
 地球に来ては、地球人の血を吸っていくらしい。(大変なライフスタイルだ)
 
  アルクエードとかいう女王に率いられている。
 デザインはパクリだったりする。
 
 
 
 
  ☆ピーチランド
 
  レッドがその昔、盗撮場所として使っていたアパートの屋上。
 周囲3ヶ所の幼稚園を超望遠カメラで狙っていた。
 現在は監視カメラが設置されている危険区域で、
 レッド曰く
  「あそこはもう、ジャラゼルジバラリレハン星人に占拠されていて危険だ」
  そうである。
 
 
 
 
  ☆『脳内ゲーム脳汚染症候群』
 
  スカラー波が電磁的にマクロ宇宙たる神を触発し、
 邪悪な共産主義者が悪魔崇拝と意見に交換した。
 
  とは、ムームーの投稿よりの抜粋である。
 
  なんのことか良く分からないと言われても困る。
  筆者も分からない。
 
 
 
  ☆「○ゆ、○゜○、○橋、お前たちの仇は討つぞ・・・見てて下さい、清○○○・・・」
 
  ○のところは、隠さないと、一部の熱狂的なロリの人には分かるかもしれない。
  清○○○も分かるかもしれない。
 
  少なくとも、今は違法な物品。 
 
 
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