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電波戦隊 マッドレンジャー

第9話 ◆ 第10話

オープニングテーマ



 爆裂! マッドレンジャー!

 作詞 筆者

 作曲 キミの脳内電波


 キミにも聞こえるだろう。 電波のささやきが。
 キミも感じているんだろう。 あの憎い陰謀を。

 そうさ恐れないで、妄想なんかじゃないからさ。

 陰謀なんだもの、誰も分からないはずさ。
 キミは戦士。だから分かる。

 キーワードを唱えろ。 全ては捏造されている!
 
 ゴーゴー! マッドレンジャー! みんな騙されきっている。

 ゴーゴー! マッドレンジャー! 選ばれた戦士は分かる。 

 ゴーゴー! マッドレンジャー! 騙されるな、巧妙な罠。

 ゴーゴー! マッドレンジャー! キミの心だけが真実ー!
 

 確信持って、戦えー! マッドレンジャー!  



 ここでセリフ 「いえ。妊娠したのは、自分ではなくて、宇宙人のほうっす」






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 ◆ 電波戦隊 マッドレンジャー 第9話
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 キミは、知っているだろうか?
 
 真の戦士の物語を
 
 キミは、感じたことがあるだろうか?
 
 秘められた世界の真実を
 
 
  ここから私が記す話は、
 世界の何処かで、この地球の平和を守るため、今日も誰かと戦うヒーローの物語である。
 
 
 
 
 
  
 
 
 

  第9話  聖地を守れ! マッドレンジャー!
 
  
  ここは日本、都市部の一角・・・なんとも言えない空気を漂わせた男たち
 が日夜集う喫茶店である。その名も『メイド倶楽部』
 
  何処か音程の外れた意味不明のラブソング『萌えの品格』
 がかかる以外、このメイド喫茶はこれと言って特別目立つものではなかった。
 
  しかし、実を隠そう、この喫茶店という店構えこそ仮の姿!
 この店こそ、地球を守る正義のヒーロー 電波戦隊 マッドレンジャーの秘密基地なのである。
  
  今日もマッドレンジャーの面々は、この秘密基地に集まっていた。
 
  
 
  
 
 マッドレッド   26歳 男 
 「いやー、前の海は楽しかったな」
 以下レッド
 
 マッドイエロー 25歳 男
 「そうっすね」
 以下イエロー
 
 マッドブルー  26歳 男
 「ブラックに感謝にゃりん」
 
 
 レッド 「そういや、そろそろ同人モノの入荷日じゃないか?」
 
 ブルー 「そうだったにゃりんか?」
 
 イエロー「そうスッね。そう言えばそろそろ童裸の穴やメメロンブックスに
      グッズが入荷するはずッス」
 
 レッド 「ふっ、今日は戦場に行かねばならんかな」
 
 イエロー「久しぶりッス」
 
 ブルー 「それじゃあ、早速移動するッス」
 
 
  歩いて10分、ここはとある同人グッズショップ。
 
 レッド 「はてさて、さすがに混んでいるなぁ」
 
 イエロー「クーラーの効きが悪いっす」
 
 ブルー 「お、みんな同人誌や同人ゲームに群がっているにゃりん」
 
  マックスパワーの冷気でかき混ぜられた、異常な男達の汗臭で
 胸をいっぱいにしつつ、不穏な会話で盛り上がるヒトだかりへと
 突き進んでいくマッドレンジャーの面々。
 
 (くふぅ・・・やっぱりやばいぜ、〇〇先生のロリSMは一味違うぜ・・・)
 (チェックが早いな、このサークルは。放送が始まる前から、同人誌にしてるぜ)
 (最近、商業誌で見ない先生が、同人やってたぜ)
 (やべ、とりあえずオレ、抜いとく)
 
  などなど、さまざまな声が聞こえてくる。
 
 レッド 「ふふふ・・・心地いい環境だ。やはりここにくると、魂が洗われる気がする」
 
 イエロー「そうっすね」
 
 ブルー 「新たなる、バ・イーブォを買わなくてはならないにゃりん」
 
  しばらくそうしていただろうか、それはそれは幸せなひと時だった。
 カゴいっぱいに同人誌を入れ、1万円単位での買い物がゾクゾクと行われていく。
 あーんな幼い、ピーッとか、ビーッ、とか、ビビーッとか、それがもう、エラいことになっている
 本とかゲームとかが飛ぶように売れていく。
 
  品定めをする者も、買う者も、売る方も、ここでは誰一人として、不幸な者はいない。
 
 レッド 「全ての人が、より幸せである社会! つまりそれこそ理想郷のあるべき姿!
      わかるかね? イエロー、ブルー。我々は今、人類が求める理想社会の
      一瞬の輝きの中に生きているのだよ」
 
 ブルー 「もちろんにゃりん。表現の自由万歳にゃりん!」
 
 イエロー「いずれは地球全体がこうなっていくっす。これからもマッドレンジャーは
      地球のため、このような理想郷のため、戦っていかねばならないッス」
 
  3人は志も新たに、未来への希望に燃えていた。
 
  しかし・・・そんなつかの間の平和も、長くは続かなかったのである。
 
 他のオタ1「た、たいへんだょーおう。へ、変な奴らが来て、妙なことを言って
       言い争いになっているょーぉう」
 
 他のオタ2「ぼ、ぼくらの幸せなひと時の、じや、邪魔をするなぁああ」
 
   ?  「ふん! 嘆かわしいったらありゃしない!」
 
  ズバンっという効果音とともに、(誰が入れた効果音なのかは分からんが)
 奇妙な集団が店の真ん中に現れた。
 なにやらいかがわしそうなKKKっぽい格好をしている5人組だ。
 そして中央には一際背の低いやつがいた。
 
  その一際背の低いやつがマスクをとった。
 マスクの下からは、酷薄そうな少女の顔が現れた。
 
  ?   「私たちは、終末戦隊 末世(マッセ)レンジャー! 
      世の人々に正しい信仰の姿を広めるべく戦う戦士! 私たちは、このような・・・」
 
  そう言って、少女はどこからか同人誌を一冊取り出した。
 
  ?   「いかがわしい悪魔の出版物を粛清する為に来た! 
      悪魔に魅入られた者たちよ! 今こそこんなものと決別し、
      真の宇宙神たる『ませませ様』の言葉を聞けー!」
 
 他のオタ3「どういう作品のコスプレ?」
 
 他のオタ4「未チェックっぷりゅもやん。これからチェックするから、教えて欲しいぷりゅ
       もやん」
 
  少女  「ふ! そんな妄想の産物ではない! ませませ様こそ真実の存在!」
 
  少女が手の鞭を振るう。
 
 他のオタ5、6、7 「うきょへー、サドロリ様のリアルお仕置きー!」
 
 レッド 「こ、これは?!」
 
 ブルー 「イベントにしてはやりすぎにゃりん」
 
 イエロー「うわさには聞いたことがあるっす」
 
 レッド 「知っているのか? イエロー」
 
 イエロー「世界の全ては、ませませ様が作ったというませませ様の教義とかいうものを
     オタクに広めようとしているカルト教団ッス、発表当時、信者数は4人ッス」
 
 レッド 「なぜにターゲットがオタク・・・?」
 
 イエロー「騙しやすそうだから、とホムペに書いてあったっす」 
 
 レッド 「なるほど・・・」
 
  少女 「さあさあ! この末世レンジャー、水彩クリアレッドのクアリが、
      きさまらに世界の真実を説いてやる!」
 
 レッド 「ふっ・・・愚かな」
 
 少女、改めクアリ 「な、なんだと・・・?」
 
 レッド 「愚かだといったのだ。クアリとやら・・・キサマの言う創造主などというものは、
     全て捏造の産物にすぎん・・・」
 
 クアリ 「ふっ、これだから物を知らない人間は・・・創造主様の存在を肯定する
      クリエイショナー理論は、世界中の高名な科学者に支持されているのだ」
 
 レッド 「ふぅっ、これだからものを知らない凡人は困る・・・」
 
 クアリ 「な、なんだと!」
 
 レッド 「世界中の高名な科学者がその理論を支持しているのは、理論に賛同しているから
      ではない!・・・やつらは・・・凶悪宇宙人、ジャラゼルジバラリレハン星人に
      洗脳されているのだ!」
 
 クアリ 「ふ、ふざけるな! 証拠を見せろ!」
 
 レッド 「証拠!? その証拠こそ、オマエの脳の中にある!」
 
 クアリ 「は?」
 
 レッド 「さきほど言った、お前の言葉も、ジャラゼルジバラリレハン星人の洗脳の結果だ!
      オマエはすでに、ジャラゼルジバラリレハン星人に洗脳されている!
      ジャラゼルジバラリレハン星人は、己が陰謀を隠す為、さっきのような言葉を
      言われると、今言ったように答えるようにオマエを洗脳したのだ!」
 
 クアリ 「?・・・あ、その、え? なんて言った?」
 
 レッド 「さらに言うと、実はオマエの側にいる、奴らも、その実、ジャラゼルジバラリレハン
      星人の作ったアンドロイドだ!」
 
 クアリ 「・・・」
 
 レッド 「そう思えないだろう・・・だが、それこそジャラゼルジバラリレハン星人の洗脳の
      結果だ!やつらのジャラゼルジバラリレハン星人の洗脳は巧妙だからな、普通は
      気づかん」
 
 レッド 「だが、このマッドレッドには分かる! おまえの耳の上にあるかすかな赤い斑点、
      それこそがそこに洗脳ギアが付けられていた証拠!」
 
 クアリ 「えーと、その、うーんと」
 
  返答に窮したクアリ、しかし、そこに新たなる戦士が現れた!
 
  ?  「とーう!」
 
 レッド 「くっ、なにやつ?」
 
  ?  「騙されてはいけないわ・・・クアリさん、私はあなたの味方よ」
 
 イエロー「くっ、あれは・・・!」
 
  ?  「そう! わたしこそジャラゼルジバラリレハン星人のアモーレエナジーをこの身に
      受けた愛戦士、雛菊燐香! いま、華麗に戦います!」
 
  雛菊燐香の手の中には『短パン少年 ~衆道の夏祭り~』という本が抱かれていた。
  おそらくその手を本を物色していたところだったのだろう。
 
 クアリ 「・・・」 
 
  燐香 「気をつけて・・・クアリさん、ジャラゼルジバラリレハン星人の洗脳なんてウソ」
 
 クアリ 「そ、そうよね」
 
  燐香 「だって、そこにいるマッドレンジャーこそ、オバロンゲロン星人に洗脳されている
      のだから!」
 
 クアリ 「・・・」(どうしよー。という眼で燐香を見ている)
 
 レッド 「なんと、雛菊燐香よ、オマエまでそいつの仲間だったか」
 
 クアリ 「ちがう、仲間ちがう」
 
  燐香 「いえ、クアリさん、こうなっては隠しようがないわ、そうよ、目覚めて前世の戦い!
      ムームーが滅んだ最後の戦い! あの石の塔での戦いの記憶、戦士の記憶を
      思い出すの!」
 
 クアリ 「出さない、出さない」
 
 レッド 「くっ、しかたない、ここは戦うしかないようだな・・・」
 
  まさに一触即発の事態、双方がにらみ合う中、この戦いに終止符を打ったのは
 予想外の人間だった・・・!
 
 店員さん「すみません、申し訳ないのですが、これ以上騒ぐのでしたらお客様の
      お邪魔になるので、出て行ってもらえませんか?」
 
 レッド 「・・・しまった。すみません」
 
 ブルー 「ごめんにゃりん」
 
 イエロー「以後、気をつけるッス」
 
  マッドレンジャーは去っていった。
 
 クアリ 「ふっ! ここは退散しましょう! 覚えていなさいマッドレンジャー!
      行きますよみなさん」
 
 燐香  「ああー、待ってくださいクアリさん、いかがです? 
      アナタもアモーレエナジーをその身に受けてはみませんか?」
 
  2人も去っていった。
 
  終わり。
 
 
 
  追記・・・後に「店内での議論禁止」という張り紙が出されました。
 
  
  以下、解説。
 
 

 
  ☆表現の自由
 
  表現の自由は民主主義の基礎の一つだが、
 こういうものが民主主義の基礎かどうかは微妙なところである。
 でもやっぱりどこからどこまで規制するのかとか、そういうことを
 考え出すときりが無いっポイので、やっぱり自由って良いなと思ったりして。
 
 
  ☆KKK
 
  クー・クラックス・クラン団。
 1865年12月、アメリカ テネシー州プラスキーにて、南軍の退役軍人の
 6人によって結成された社交クラブを始まりとする秘密結社である。
 
  当初から白人至上主義を掲げていたものの、当初はそれほど過激な
 活動は行ってはおらず、アフリカ系アメリカ人に対する嫌がらせ程度の
 活動だったといわれている。
 
  しかし、元南軍将校ネイサン・B・フォレストを指導者にしてからは
 一気に組織化され、構成人数は肥大化、活動は過激化の一途を辿る。
 アフリカ系アメリカ人へのリンチ、放火、殺人が相次ぎ、この件を重く受け止めた
 アメリカ合衆国政府は1871年に「反KKK団法」を成立させることとなり、
 この組織は衰退、消滅へと追い込まれることになった。
 
  のちKKK団は名前や指導者を変え、何度も活動の活発期を迎えるが、
 そのたびにあまりにも過激な行動が、かえって市民の反発を買い、
 組織の肥大化と衰退を繰り返している。
 
  彼らの主張は「白人至上主義」「劣等人種の差別(ユダヤはここに含む)」
 「キリスト教原理主義」「リベラルな考えの排撃」から成り立っているが、
 これらはアメリカ保守系市民の考えを極端に純化したものだとも考えられる。
 
 
  ・・・と、そんなことはマッドレンジャーには関係なく、
 ここでこの言葉が出てくるのは、彼らの三角頭巾に白いローブという格好が、
 「陰惨な暴力を好む、狂信的な秘密結社」をイメージしやすい為に使ってみた
 だけのことだったりする。
 
 
  ☆末世(まっせ とか まっせい とか)
 
  仏教による、終末思想。
 某カルト教団とか、好きそうだね。
 
 
 
  ☆真の宇宙神たる『ませませ様』
 
  なんかそういう神様らしい。
 別にませた子供のことではない。
 
 
 
  
  ☆サドロリ様のリアルお仕置き
 
  Sなロリにいじられたい大きなオトモダチの大好物。
 
 
 
  ☆水彩クリアレッド
 
  末世レンジャーの役職名、あとはコバルトブルー、ライトグリーン、
 クリームイエロー、つや消しホワイト
 
 
 
 
  ☆洗脳ギア
 
  ジャラゼルジバラリレハン星人は、こういうものを使っているらしい。
 某携帯音楽プレーヤーには、このパーツが含まれているから、
 音楽を聞くのと同時に人々を洗脳できる。とは、イエローの言葉である。
 
 
  
  ☆『短パン少年 ~衆道の夏祭り~』
 
  雛菊燐香の好物。
 オリジナルシリーズものとしては、なかなか好評らしい。
 これはシリーズ5作目。
 
 
 
  ☆石の塔での戦いの記憶
 
  1980年代後半に、あちこちでよくやり取りされていた言葉。
 前世ではここで戦っていたらしい。
 
 
 
 
  ☆「店内での議論禁止」
 
  店舗前での議論も禁止されていることが多い。
 本人たちはヒートアップしているものの、関係ない人たちからすると
 たんなる邪魔でしかなかったりする。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
   挿入歌



 真昼のボンバー


 作詞 筆者

 作曲 キミの脳内電波


ババババン ババババン ババババババババ!

ババババン ババババン ババババババババ!

ババババン ババババン ババババババババ!

うなれ オレの能力 

いま、燃え上がるとき


なんとなく、気に入らないことがあったから消したいと思っただけなんだけど

たったいま都合よく目覚めろ

オレの能力


ツイスト ツイスト まきおこれ 

オレのエンジン、火を吹くぜー



 ここでセリフ「また妨害電波のせいで、能力が発動しなかったぜ」


ババババン ババババン ババババババババ!

ババババン ババババン ババババババババ!

ババババン ババババン ババババババババ!
 
 






   
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 ◆ 電波戦隊 マッドレンジャー 第10話
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 キミは、知っているだろうか?
 
 真の戦士の物語を
 
 キミは、感じたことがあるだろうか?
 
 秘められた世界の真実を
 
 
  ここから私が記す話は、
 世界の何処かで、この地球の平和を守るため、今日も誰かと戦うヒーローの物語である。
 
 
 
 
 
  
 
 
  第10話  秘密結社だ! マッドレンジャー! 
 
  
  ここは日本、都市部の一角・・・なんとも言えない空気を漂わせた男たち
 が日夜集う喫茶店である。その名も『メイド倶楽部』
 
  何処か音程の外れた意味不明のラブソング『ICBM擬人化 タイたん の おーばーきる』
 がかかる以外、このメイド喫茶はこれと言って特別目立つものではなかった。
 
  しかし、実を隠そう、この喫茶店という店構えこそ仮の姿!
 この店こそ、地球を守る正義のヒーロー 電波戦隊 マッドレンジャーの秘密基地なのである。
  
  今日もマッドレンジャーの面々は、この秘密基地に集まっていた。
 
  
 
  
 
 マッドレッド   26歳 男 
 「うーむ、最近は新手の宇宙人情報が無くて寂しいな」
 以下レッド
 
 マッドイエロー 25歳 男
 「あの人が、ライトパターソン基地に捕まってしまったためっスヨ」
 以下イエロー
 
 マッドブルー  26歳 男
 「助けたいのは山々にゃりんが、ここはじっと我慢の子にゃりん」
 
 
 レッド 「ところで、最近は随分おかしな事件が多いよな」
 
 イエロー「そうっすね、倫理感の崩壊、モラルハザードっすね」
 
 ブルー 「バラバラ殺人、児童虐待、年金問題、欲しいフィギュアは買えない、あのエロゲーの
      情報が出てこない、夏コミで売っているジュースはぬるい・・・体感治安は日に日に
      悪化しているにゃりん」
 
 レッド 「ふと思ったのだが・・・やはり、この日本で起こっている全ての邪悪な意志に
      満ち満ちた出来事は、全て闇の秘密結社の陰謀なのでは無いだろうか?」
 
 イエロー「可能性は否定できないっス」
 
 ブルー 「とすると、一体ダレが、こんなことを引き起こしているにゃりん?」
 
 レッド 「難しいな・・・だが、オレが思うに、失われたたユダヤの十枝族の2つ、ゴグと
      マゴグの結社の薔薇族十字団ではないかと思うのだが」
 
 イエロー「イエローは、そうでは無いと思うッス、これは地底帝国ブリルの生き残り、
      ブリルン・銀河共和団が引き起こしていると思うッス」
 
 ブルー 「ブルーの意見は2人とも違うにゃりん、これはきっと共産圏の放つ毒電波の
      影響だと思うにゃりん」
 
 レッド 「むぅ・・・どの説も一理あるな・・・甲乙付け難い」
 
  そんな議論を行っている3人のところに桜さんが現れた。
 
 桜さん 「あら? こういう時の秘密結社の定番って、フリーメーソソなんじゃないんですか?」
 
 レッド 「うむ、桜さんは物知りだな。だが違うのだ、実はフリーメーソソは秘密結社では
      ないのだ」
 
 イエロー「そうっす、フリーメーソソは秘密の部分を持っている、公然の結社っす。
      住所も電話番号も分かっているッス」
 
 ブルー 「フリーメーソソの影には更なる秘密結社バッドウィルグループが隠れているという
      噂にゃりん」
 
 レッド 「おお! 最近刊行された本、右脳マチャール の『2000円札は悪魔のシンフォニー』
      に載っている説だな?! さすがはブルー、情報が早い」
 
 イエロー「確か、フリーメーソソはバッドウィルグループに洗脳され、マインドコントロールされ
      ているッス」
 
 レッド 「うむ、そしてバッドウィルグループは大蔵省印刷局によってマインドコントロールされ
      ていて」
 
 ブルー 「そして大蔵省印刷局はフリーメーソソにマインドコントロールされているにゃりん」
 
 レッド 「うむ、そういうことだ・・・アレ? なんかおかしくないか?」
 
 イエロー「別に、理論にはどこにも破綻が無いッス」
 
 ブルー 「そうっすね、完璧なロジックにゃりん」
 
 レッド 「・・・そうかな。うん、まぁそう言われればそんな気もする」
 
 イエロー「うーむ、でももしかしたら、新たなる別勢力の可能性も考える時かも知れ無いッス」
 
 レッド 「なんかよくわからん言い回しだが、ようは新勢力の登場というわけか?」
 
 ブルー 「なにかあったにゃりんか?」
 
 イエロー「ボディビルダーバーク=クラブ・・・世界中のボディビルダーを支配しているという
      闇の秘密結社の新顔っス」
 
 レッド 「ほう、そんなものが?!」
 
 イエロー「そうっす、彼らは世界中でのプロテインの莫大な売り上げ、年間総額1200亥円を
      用いて、世界中の人間をボディービルダーにし、ビルダーの僧帽筋による世界統治を
      目指しているという話があるッス」
 
 レッド 「それは確か・・・『某国会議員のハゲ具合から、世界の裏を読む』で発表された新説、
      抜け毛は髪の道しるべという新たな最新インドゲルマン風水の話だな」
 
 ブルー 「プロテインはそんなに売れているにゃりんか? 日本国政府の借金の1000倍の
      年売り上げとは、にわかには信じられないにゃりん」
 
 イエロー「それは無理も無いことッス。『某国会議員のハゲ具合から、世界の裏を読む』の
      第二章に寄れば、プロテイン事業の全体の総売上は1200万円規模の市場で、
      これにアグラバメサン星団のコーネルクリストファイア数である12をかけると
      1200亥という数字になるというッス」
 
 ブルー 「? 1200万×12は、144000000だと思うにゃりんよ?」
 
 イエロー「それは右脳マチャールに寄れば、3次元数学の限界ッス。
      右脳マチャールの言うところに寄れば、計算の結果というモノは
      実はその時々で違うッス。実は1+1=2なのは、この次元のことだけで、
      他の次元空間では1+1=オピョー!!の1兆乗になるッス」
 
 ブルー 「一兆乗とは・・・ケタがすごいにゃりんね」
 
 レッド 「しかもオピョー!! か、オピョー!!と言えばオピョー!!時空でオピョー!!
      帝国を築き上げたオピョー!!エネルギーの単位じゃないか」
 
 イエロー「さすがはレッド、情報が早いっす オピョー!!」
   
 ブルー 「おぴょーにゃりん!!」
 
 レッド 「ま、そんなことはさておき」
 
 ブルー 「そんなことって、どういうことにゃりん?! 扱いがひどいにゃりん!」   
 
 イエロー「問題は、誰が今の日本をこんな国にしてしまったのかということッス」
 
 レッド 「薔薇族十字団か、ブリルン・銀河共和団か、ボディビルダーバーク=クラブ。
      この3つのうちのどれか1つしかないというわけか」
 
 ブルー 「よく分からないから、インドゲルマン風水で決めるにゃりん」
 
 イエロー「それに知多星誤用の言霊論、『水色バイブレーションのケパカッピン%』を使うと
      32は58だから、68は3になることは明白ッス」
 
 レッド 「わけわからん。まあ、得てしてそんなものか。まあいい。そうするとどうなる?」
 
 ブルー 「いろいろと見てみると、この日本を悪くしている元凶が見えてきたにゃりん。
      ・・・うーん。元凶は『脳の機能障害を前提にしていない社会システムのありよう』
      が、大きなファクターを占めているとしているッス」
 
 レッド 「ふぅ、なんだなんだ、メチャクチャじゃないか。それはありえないだろう。
      せめてフり一メイソソか、イースタソメーソソか
      ロードス・クラブぐらいは出て欲しかったな」
 
 イエロー「真実への肉薄は、まだまだ先のことッスね」
 
 ブルー 「後日の楽しみにとっておくにゃりん」
 
 
  第10話 終わり




  エンディングテーマ



 さみしい都会のトゥギャジャー

 作詞 筆者

 作曲 キミの脳内電波


 
世界で1人、オレだけが

真実求めて戦う ファイター

きっと きっと きっと

みんないつか分かる

宇宙人の侵略を、止めてるヒーローはオレだって


 どうしてないの (ハーレムがー)

 どうしてないの (オレのロボー)

 どうしてないの (特殊能力)


それは、きっと、誰かが邪魔しているからなのさー 
真実求めて戦うヤツはー

いつもハブられるのさー


 ここでセリフ「みんながオレを見て興奮している」



 
  以下解説
 
 
  ☆ブリルン・銀河共和団
 
  銀河系の片隅でひっそりと経営されているというコンビニエンスストア。
 銀河全体で250店舗を達成した最大手宇宙コンビ二らしい。
 
 
  ☆ボディビルダーバーク=クラブ
 
  ムームーの論客で有名なアスーカ・バルミュート(日本人)によると、彼に言わせれば
 始めて見た時から、全てのボディービルダーが人類ではないと確信していたらしい。
 そう、彼ら彼女らは異常極まりない進化の元で生まれてきたものであり、
 それはプラスチックで構成された物体らしい。
  しかし、プラスチックで構成された人間の体など存在するわけが無く、そこで氏が
 思い至ったのは、世界征服を企む悪の秘密結社が筋肉増強剤を作っているのではないかという
 論理的帰結であった。
 
  それで、ボディービルダーがたくさんいるところでは世界征服の陰謀が張り巡らされている
 ということになるらしいのだが・・・。
 
 
  ☆最新インドゲルマン風水
 
  インドゲルマン風水を元にした最新理論とのことである。
 なんでも今まで語られてきた風水には全て誤りがあり、それは
 超風水生命体「インゲル」の悪意から発生したものらしい。
 
  そこで、この理論ではその場その場で思ったことを適当に口にすることで
 風水が浄化され、振動バイブレーション波動が震えだして止まらなくなる。
 そう想像し始めると、それ以外のことが信じられなくなるらしい。
 
 
  ☆アグラバメサン星団のコーネルクリストファイア数
 
  とにかく、どんな数字にもかけられる魔法の数字で、
 答えは必ず、自分の思い通りの数字になるらしい。
 
 
  ☆右脳マチャール 
 
  数学に新風を巻き起こそうとした可哀相な病人。
 現在の数学は数字だけで全てを理解しようとする三次元数学であり、明日には
 理解できなくなると空想できるらしい。
  数字だけでは数字が理解できないので、計算中に「オピョー!」と
 オピョー帝国の合言葉を奇声としてあげ続けるといいという論文を自分の脳内学会で
 発表してセンセーションを巻き起こしたらしい。現在心療内科に通院中。
 
 
  ☆恥多星誤用の言霊論、『水色バイブレーションのジャンピン%』
 
  水色の物体が全て知的生命体に見えているという自称「水色に人権を」運動で
 名高い誤用さんの理論。
 氏によると知的生命体は全て水色であり、知性とは水色から吹き上がるなにかしらの
 途方も無い、超越的サイエンスティックなエナジーであるらしい。
 
  ジャンピン%に関しては、本人もよく分かっていないらしく。
 「・・・そんな言葉を言う人間は頭がおかしいと思うオピョー!」
 との発言を残している。
 
 
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